Meet Earth
地球に触れている人達と出会う旅05
岡山県船穂町
マスカット・オブ・アレキサンドリア。 2000年以上も昔、アフリカ北部のエジプトに生まれたこの果物は、あのクレオパトラもこよなく愛したと言われ、かの地のアレキサンドリア港から世界中へと広まった。 その名の由来は、「Musc(k)」(麝香)と「Cat」(猫)、つまり「麝香猫のような美しい香りに包まれたアレキサンドリア産のブドウ」。 価格は、小売りにして1箱(2房入り)1万円から。最上級のものは3万円以上にもなる。 1房に50〜60の粒をつけるので、最低でも1粒100円は下らない。 「ブドウの女王」と呼ばれる所以は、こんなところにある。 岡山県船穂町はマスカットの街だ。観光地として知られる倉敷市街から、北西へ車で20分。なだらかな丘陵地にビニールハウスの列が幾重にも連なる光景が見えたら、そこが船穂町だ。 冬の盛り、12月からハウスの加温が始まる。出荷は5月初旬から。約半年もの間、温室育ちの女王は、最高のもてなしを一身に受け、たわわに実る。 積分の温度管理「積分だよ」 芸術の高み「ブドウの顔」、つまり房がもっとも美しく見える角度を確かめ、慎重にハサミを入れる。 (2003年6月1日発行『TALEMARKETvol.06』「女王の積分」より) |
|||||||||
photo&text by tokosemurayasu
Copyright:(c)2008Kosemura Editorial Office.
All Rights Reserved.